2011年8月20日土曜日

プロフェッショナルの矜持

 これは、8月17日付けの中日新聞・文化面に掲載された鷲田清一・大阪大学学長の投稿記事のタイトルです。昨今の原発論議に関しての投稿ですが、非常に示唆的な内容ですので、そのポイントを紹介させていただきます。

・じぶんの知的努力を一つの専門領域に限り、専門外の領域に対して発言するのは越権行為としてみずからに禁ずる。裏返していえば、他の領域からの意見を専門外のものとして、受け容れようとしない。そして、複合的な判断が必要なことがらについては発言を慎むどころかそれを「非科学的」と斥ける。これがいつからか研究者の「美徳」になっていた。
・専門家は「賢者」でもあるべく求められていると思う。専門的見地から確かに言えることを述べつつ、同時に複合的な問題の全体についてつねに視野を広げておかなければならない。そのうえで、専門外のひとたちとともにある最終判断を下し、その判断にもとづいて専門家として自らの責務をさらに果たしてゆかなければならない。 

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