2011年9月4日日曜日

秋季特別展「武将が縋った神仏たち」の見所③-2

   秋季特別展「武将が縋った神仏たち」の展示資料の中で注目の1つである京都・西方寺所蔵『木造豊臣秀吉公坐像』は、昨年、同寺において特別公開されましたが、その時の毎日新聞の記事抜粋(2010.11.13付け)を、以下に紹介します。

   京都市左京区の西方寺に伝わる等身大の木造豊臣秀吉像の修理で、内部から作者の名前や制作年を明示した書き込みが見つかった。秀吉が亡くなった翌年の1599年に制作が始まったとみられ、秀吉の生前の面影をよく伝える作品とみられる。・・・・・
   頭部の内ぐりには秀吉を指す「豊國大明神」の文字と作者とみられる「七条大仏師康住」「子康厳」の文字があった。また、組んだ足の下辺りから「慶長四年六月廿八日」(慶長4年は1599年)の朱書きが現れ、内部がくりぬかれた頭部の内側からは「慶長八年六月中旬」の墨書が見つかった。制作の始期と完成時期を示したものとみられる。・・・・・
   制作年や作者、像の名前がセットで書き込まれた像は珍しいといい、楽浪文化財修理所の高橋利明所長は「40年以上このような仕事をしているが、ここまでそろって出てくるのは10年に1体あるかどうか。私のほうが興奮した」と話す。また「亡くなった直後の作品であることから、本人のお顔に似ているのでは」と推測する。

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