2012年1月31日火曜日

学校支援メニューフェアin守山

   2月3日(金)13:30から守山市生涯学習・教育支援センター(エルセンター)で開催される「学校支援メニューフェアin守山」に、安土城考古博物館も参加します。
   このフェアは、保育園・幼稚園・小中学校の関係者等を対象に、文化施設や企業等が持つ体験型の教育普及プログラムを紹介し、授業に活かしていただくことを目的としています。この運営に当たっては、滋賀次世代芸術文化センターが協力してくれています。
   市町の取り組みとしては、昨年7月に開催された近江八幡市での同種のフェアに続くものとなります。こうした取り組みが全県下に広まっていけば、学校と文化施設・企業の双方にとって、大変有意義なものになると思います。当館としても、引き続き積極的に参画してまいります。

「信長の館」との共通券

   安土城考古博物館は県の施設で、お隣の「信長の館」は近江八幡市の施設ですが、この2館で平成10年4月1日から入館料の共通券を発行しています。個人のお客様でも、団体割引(2割)で入館していただけるもので、年間を通してたくさんの方々にご利用いただいています。
   せっかくのお得なチケットなんですが、2館の入り口が離れていて、移動するルートがわかりにくいため、どちらかの館だけを観て帰ってしまわれるお客様が結構おられます。何とか、2館をうまくつなぐサイン表示などが工夫できないものか、今、検討しているところです。
   動線がわかりにくいという点では、安土城跡から当館へのルートも同じです。安土城跡の観光ガイダンス施設にポスターをはったり、チラシを配置したりしていますが、その効果はまだまだ限定的のように思います。

明日から「ひなまつり」展

   安土城考古博物館では、2月1日(水)から3月10日(土)まで、第一常設展示室の一角において、「ひなまつり展~人形(ひとがた)から現代雛まで~」を開催します。昭和時代の雛人形や県内の古代・中世の遺跡から出土した人形など、関連資料を展示し、日本における人形のあり方をたどってみたいと思います。
   主な展示品は、
○下々塚遺跡出土人面墨書土器2点(野洲市教育委員会蔵)
○西万木遺跡出土人形木製品1点(高島市教育委員会蔵)
○大宮遺跡出土ひな人形1点(滋賀県埋蔵文化財センター蔵)
○女神坐像1躯(奈良県玉龍寺蔵)
○雛人形(個人蔵) など
   博物館から発信する新しい「ひなまつり」展を是非ご覧になってください!

2012年1月27日金曜日

琵琶湖に津波?

   昨日のNHK大津放送局「おうみ発610」で、「琵琶湖に津波?」をテーマに特集番組が放送されました。
   本日の中日新聞、産経新聞、読売新聞・しが県民情報等で紹介していただいていますが、明日(28日(土))13:30から、連続博物館講座第四弾「平家滅亡の年、琵琶湖を津波が襲った」(講師:横田洋三(滋賀県文化財保護協会)を、当館2階セミナールームで開催します。
   当日先着順で、140人までご参加いただけます。資料代等として300円のご負担をお願いします。
   平安時代の末期の1185年の地震で、琵琶湖を津波が襲った可能性などについて、塩津港遺跡の神社跡の発掘調査の結果をもとに解説します。

避難訓練を実施!

   昨日(1月26日)は、「文化財防火デー」でした。全国各地の文化財関連施設で、避難訓練等が実施されたことが、新聞記事等で紹介されています。
   安土城考古博物館でも、本日(27日)、地震と火災発生を想定した避難訓練と初期消火訓練を行いました。総評としては、まずまずスムーズに訓練を終えることができました。初期消火訓練では、通常の消火器に加え、「放水銃」を使っての訓練も行いました。
   地震対策としては、東日本大震災の教訓を踏まえて、収蔵庫の棚から資料が落下しないようにするため、紐とか網を設置することを検討しているところです。


重要文化財、全国第4位!

   「重要文化財の指定件数が全国第4位」という事実は、文化財関係者の間では知れ渡っていますが、県民の皆さんはどの程度ご存じでしょうか?ちなみに、第1位が東京都、第2位が京都府、第3位が奈良県です。
   文化財については、常に「保存と活用のバランス」という問題があります。基本は「保存」し、後世に伝えていくことだと思いますが、今を生きる人々に活用されてこそ意味があるとも言えます。
   その活用方法としては、大きくは二つあると思います。一つが、地域の宝物として、地域(ふるさと)への愛着や誇りの拠り所、人と人の絆を結ぶ核とする取り組みです。もう一つが、文化財を「観光資源」の一つとして位置づけ、観光振興に力を入れる取り組みです。
   いずれの方法も、先進事例を単にまねるのではなく、文化財の本当の価値をよく知り、地域や人々の特性に合った形で活用できるかどうかが鍵になると考えます。
  

2012年1月26日木曜日

「敷居が高い」?

   本日のある新聞記事を見ていて、気になる言葉がありました。それは、「敷居が高い」という言葉です。本来の意味は、「不義理や不面目のため訪問しにくい(敷居をまたぎにくい)」ということですが、最近、「レベルが高く自分には手が届かない」という意味で使われていることが多いように感じます。さらに、この誤用から「敷居を下げる(低くする)」といった新たな誤用(?)も生まれています。
   もちろん、時の流れの中で、ある言葉が本来の意味と違う別の意味を持つことはよくあることですが、この誤用の場合はどうなんでしょうか?皆さんは、違和感を感じませんでしょうか?

信長に迫る!

   安土城考古博物館では、「信長」をテーマとした展示や講演会を多く開催していますが、日本人は信長が好きですね。例えば、「日本の100人」とか「理想のリーダー像」といった特集がされると、必ず信長が上位に入ってきます。少し変わったところでは、最近、「ポケモン+ノブナガの野望」というゲームが話題になっていますが、皆さん、ご存じでしょうか?
   「信長について専門的なことを学ぶなら、安土城考古博物館の学芸員に聞いてみよう!」といった評判が定着していけばいいのですが、そうした方向に向けた新しい一歩が次年度踏み出せそうです。
   公表できる段階になりましたら、皆さんにお知らせしたいと思います。
   ご期待ください!

2012年1月25日水曜日

教育旅行

   日本修学旅行協会が発行する月刊誌「教育旅行2012.1月号」の「ワクワク博物館めぐりコーナー」で、安土城考古博物館が取り上げられています。
   昨年末に、びわこビジターズビューローさんのコーディネートで取材をお受けしたものですが、1ページを使っての大きな記事となっています。特に、「バックヤードツアー」と「夜の博物館(れい感博物館)」のことを丁寧にPRしていただいており、大変ありがたいことです。
   「日本の歴史文化が体験できる、ベストスポット」と紹介されていることに恥じない取り組みをしていきたいと、思いを新たにしているところです。

バックヤードツアーの魅力

   安土城考古博物館では、今年度から、普段は公開していない博物館の舞台裏を案内する「バックヤードツアー」に取り組み始めました
   試みに、夏休みに3日間(午前午後、各1回ずつで計6回)実施しましたところ、137人もの参加者がありました。この他、10月10日に実施した「滋賀・絆・アート支援プロジェクト」でも、20人の皆さんをご案内させていただきました。
   こうした「バックヤードツアー」は、最近、多くの博物館・美術館等で積極的に取り組まれており、どこでもかなり好評のようです。
   当館の新企画「ヒストリカルツアー」のメニューの中に、この「バックヤードツアー」を組み込んでほしいとのご要望が、最近、ホテル関係者から寄せられています。新しい集客方法の一つの「売り」として認知していただけるよう、営業活動を強化する必要性を感じています。

来館のきっかけづくり!

   安土城考古博物館では、博物館に来ていただく「きっかけづくり」として、いろいろな事業を実施しています。例えば、お茶会、親子写生大会、ミュージアムコンサート、写真撮影会などです。
   このうち、お茶会については、今年度から「体験お茶会-うつけ茶屋ADUTI」という新しいプログラムを開発しました。秋のシーズンの土日・祝日等で約20回開催しましたが、400人を超える参加者がありました。
   博物館やこの安土地域の資源(宝物)との関連を持たせながら、みんなで知恵を絞っており、これからも、新しいプログラム開発に挑戦していきたいと思っています。
   ご期待ください!

体験博物館とは?

   安土城考古博物館の教育普及プログラムの中心が、「体験博物館」です。今年度のプログラムとしては、「勾玉をつくろう」「銅鐸を観察してみよう」「近江国印をつくろう」「和紙をつくろう」「忍者になってみよう」「戦国食をつくろう」、「安土城下町を探検する」の7種類です。既に、10回開催し、約250人の参加者がありました。
   この他にも、授業の一環で学校から当館に来られる場合があり(年間、40~50回)、その時には、「火起こし体験」「バックヤード見学」「クイズラリー」などにも挑戦していただいています。いずれのプログラムも、周知が行き届いた場合には参加者も多く、また、体験後の感想も総じて好意的です。
   体験博物館を通じて、博物館に興味・関心を持っていただき、次のステップとして、展覧会を鑑賞していただくことにつながれば、幸いです。

2012年1月24日火曜日

講演会の充実!

   安土城考古博物館では、今年度から、当館学芸員および滋賀県文化財保護協会職員による博物館講座に力を入れています。例年ですと、年間の講座数は外部講師の講演会を含めて15回程度ですが、今年度は既に29回開催しています(年度末までには、あと9回開催予定)。
   平均して、1回当たり30~50人程度の参加者があり、時には100人を超える講座もあります。また、アンケート調査の結果をみると、内容的にもかなり高い評価をいただいています。
   新しいテーマで講演する場合には、事前の準備が結構大変ですし、また、他館(学芸員)との相互講座の場合には、比較されるというプレッシャーもかなりあると思いますが、皆さん、よく頑張ってくれています。
   博物館への関心を持っていただくためという目的に加え、人材育成(能力・スキルの向上)にも寄与しますので、次年度以降も継続して取り組んでいきたいと思います。

現説(げんせつ)?

   去る22日(日)、甲賀・紫香楽宮跡で現地説明会が開催されました。奈良時代に聖武天皇が造営した紫香楽宮の「内裏正殿」とみられる建物跡が発見されたことを受けての説明会で、県内外から約500人もの考古学ファンが詰めかけたようです。それだけ、今回の発見の価値が大きかったということでしょうね。
   この「現地説明会」ですが、発掘調査の関係者の間では「現説(げんせつ)」と呼ばれています。最初、耳で聞いた時には、一瞬「何それ?」と思った経験が、私にもあります。どんな業界でも、言葉を短縮する慣例が時々ありますが、これもその一種なんでしょうね。

2012年1月21日土曜日

太古の人と動物が来た道

   これは、本日の連携講座(安土城考古博物館&琵琶湖博物館)のメインテーマです。
   国立科学博物館の海部陽介さんが「人類のきた道」という演題で、続いて、琵琶湖博物館の高橋啓一さんが「マンモスとマンモスハンター」という演題で、それぞれ講演されました。普段の仕事では接することのない話題ばかりで、とても新鮮で、刺激的でした。
   最後に、安土城考古博物館の鈴木学芸員が「琵琶湖の周りにヒトが棲む」という演題で、講演しました。先のお二人の講師が専門的でマクロなお話であったのに対して、鈴木学芸員は身近な話題を親しみやすく語ってくれました。途中、彼が最近新しい発見をした話に熱が入りすぎてしまったのは、ご愛敬でしたが・・・。
   129人の参加者の皆さんは、質疑応答も含めて最後まで熱心に聴いてくださり、本当にありがたかったです。ご満足いただけたのではないかと思っています。
   この連携講座については、次年度以降も継続していくつもりです。ご期待ください。

主催者挨拶(篠原・琵琶湖博物館長)

鈴木学芸員講演(安土城考古博物館)

2012年1月20日金曜日

らんまる君、デビュー1周年!

   今週末の22日(日)、当館の隣の安土文芸セミナリヨにおいて、「らんまる君、1周年記念イベント」が開催されます。安土に、らんまる君の友達キャラが大集合します。
   イベントの内容は、らんまる君音頭生歌初お披露目、隠れキャラの新発表、あづち信長出陣太鼓などです。目玉は、子ども達の人気者・らんまる君の弟二人のキャラクターが初めて公開されます。安土町観光協会によれば、県外からの関心も高まっており、当日、たくさんのお客さんが来られることが期待されます。
   安土城考古博物館からも、抽選会へのプレゼントを提供させていただきます。また、当日の資料の中に入れておきます「グッズ引換券」を持参してご来館いただきますと、当館のオリジナルキャラクター「まめのぶくん」の缶バッチをもれなくプレゼントいたします。
   ご来館をお待ちしています!

2012年1月19日木曜日

「双方向」「対話型」!

   ご存じのとおり、博物館は「社会教育施設」ですが、この場合の「教育」の意味が、最近では「学習(学び)」というふうにシフトしてきているように思います。「一方向」から「双方向」へとシフトしてきていると言ってもいいかもしれません。
   博物館が展示を企画・構成する際には、実物資料や情報を基に、主催者(送り手)としてのメッセージを入れ込んだストーリーを設定するわけですが、来館者の皆さんへの一方的な押しつけにならないように留意しています(来館者アンケートに、そのようなお叱りのご意見を書いていただくケースが時々ありますが・・・・)。
   来館者の皆さんが、博物館が設定したストーリーとは異なった視点からの解釈なりアプローチができるように、言わば「双方向」「対話型」の仕掛けが、展示の中に組み込まれていることが大事だと考えています。現状は、まだまだそのレベルに達していませんが・・・。

織田信長スペシャル~長篠の戦い~

   昨日、放送された「THE今夜はヒストリー」をご覧になりましたか?今回のテーマは、「織田信長スペシャル~長篠の戦い~」でした。「戦国のカリスマ『織田信長』スペシャル!天下取りへの道を突き進む!どうなるニッポン!?」といった趣旨で、番組が編成されていました。
   特に、「クローズアップ〜織田信長〜」のコーナーは、大変面白かったですね。改めて、織田信長の先見性や戦略性、カリスマ性に感心した次第です。それと、「戦国のメロス~鳥居強右衛門」の切り口は新鮮でした。
   織田信長に関する豊富な史料を揃えている安土城考古博物館としては、もっともっと存在感をアピールして、多くの方々にご来館いただき、楽しみ学んでいただきたいと思います。

2012年1月17日火曜日

城郭博物館連携講座、始まる!

   城郭をテーマとしている3つの博物館(長浜城歴史博物館・彦根城博物館・安土城考古博物館)の連携による講座の第一回目を、去る14日(土)に長浜市勤労福祉会館・臨湖で開催しました。
   今年度から初めて取り組んだ講座で、3館の学芸員がそれぞれの得意分野(テーマ)で講演を行いました。長浜城歴史博物館の会員を中心に178名もの参加者(会員:111名、その他67名)があり、大変盛況でした。
   同じ14日(土)および翌15日(日)に開催しました当館の講座にも、それぞれ約40名の参加者がありました。やはり、面白そうな催しを開催すれば、それなりの手応えはあることを再認識した次第です。

2012年1月14日土曜日

効果的な広報とは?

   全国の博物館の共通の関心事は、多くの来館者を確保することですが、そのためには「広報」が重要なカギになります。
   現在、安土城考古博物館では、展覧会ごとに作成するポスター・チラシ、年4回発行する博物館広報紙「おおてみち」、当館以外の広報媒体(紙・インターネット)への情報提供、最新情報を随時更新する自前のホームページ、パブリシティ(報道関係者への情報提供)などを組み合わせて、効果的な広報に努めていますが、来館者アンケートの回答を見ますと、「せっかく面白い展覧会をしているのに、あまり(ほとんど)知られておらず、もったいない」といった趣旨の記載が少なくありません。
   県民の皆さんへの情報提供の面では、情報媒体への露出機会(記事掲載等)がかなり増えたこともあって、一定前進はあるものの、「集客」にまで結びついているかどうかは、十分な評価ができていません。
   一方、県外者向けの情報提供の面では、今年度からインターネットを通じてかなり積極的に取り組んでおり、県外者の割合が多い特別展の来館者アンケートを見ると、「ホームページ」を通じて展覧会を知り来館したと回答する人の割合が増えています。ただ、インターネット以外に有効な広報手段を持っていないことから、その効果は限定的です。
   やはり、「集客」のためには、それなりの予算(お金)を広報につぎ込むことが不可欠だとは思っていますが、限られた予算の中では悩ましいところですね。

縄文人が語るもの!

   来る2月11日(土)から始まる第43回企画展 3.11東日本大震災復興祈念「『人』『自然』『祈り』 共生の原点を探る-縄文人が語るもの-」のチラシとポスターができあがりました。
   この展覧会では、1万数千年間続いた縄文時代の時間の長さを、「1年を1㎜」として現し、来館者には「物差し」を片手にご観覧いただく、といった新しい仕掛けを考えています。縄文時代の「1万数千年」という時間は、今年が西暦2012年ということと比較しても、いかにとてつもない長さであることがおわかりいただけると思います。
   私たち人間と自然との共生の原点を探るとともに、縄文人の「祈り」にも迫ってみたいと思います。

2012年1月12日木曜日

近江風土記の丘の主な史跡

   近江風土記の丘には、歴史のロマンをかきたてられる史跡がたくさんあります。簡単に紹介しますと、

①大中の湖南遺跡
   大中の湖の干拓事業に伴い、湖底から発見された一大遺跡です。断続はあるものの、縄文時代から平安時代末期までの遺跡です。
②瓢箪山古墳
   4世紀頃に、繖山の支尾根の先端を切断・成形して造営された、全長162㍍の滋賀県下最大の前方後円墳です。
③観音寺城跡
   16世紀前半頃に、近江の国のほぼ中央にそびえる標高432㍍の繖山(きぬがさやま)に築かれた、近江国守護職の佐々木六角氏の居城跡です。その特徴は、石垣を多用していることです。
④安土城跡
   安土城は、戦国期、天下統一の拠点として、織田信長によって築かれました。1582年、信長の死とともに焼失しました。我が国初の本格的な天主をもっていました。
⑤摠見寺
   天正年間に安土城築城に伴って、織田信長によって城郭内に建立されました。安政元年(1854年)に火災に遭い、三重の塔と楼門を残すのみとなりました。
⑥セミナリヨ跡
   信長の信望を得たイエズス会の宣教師たちが安土城下に開設した神学校(セミナリヨ)の跡です。安土城焼失とともに焼失しました。
⑦桑実寺
   白鳳6年に、天智天皇の勅願寺院として創建されました。藤原鎌足の子・定恵が中国より桑の実を持ち帰り、養蚕をこの地で始めたことから、この名があると伝えられています。

寒い冬こそ博物館で心温まる一日を!

   今、安土城考古博物館では、いろいろな仕掛けで、来館者の皆さんをお迎えしています。
   まず、展示では、特別陳列「昇る!昇れ!!昇るとき-日輪と龍のメッセージ-」と、大河ドラマ関連特別企画「清盛の時代と近江」を開催しています。
   講座関係では、展示関連の講座のほか、他館(琵琶湖博物館・彦根城博物館・長浜歴史博物館)との連携講座などを開催しています。1月は、毎週末(土・日)、何らかの講座が入っている状況です。
   その他にも、展示内容と絡めた謎解きクイズ「ミステリーミュージアムADUTI-聖龍を解き放て!-」を実施していますし、無料スペースには、ビデオコーナー・図書室・顔出し看板・ショップコーナー・喫茶レストランなどがあります。
   1年の中で一番寒いこの時期、博物館で心温まる一日を過ごしませんか?

2012年1月11日水曜日

安土城天主が建たないワケ

   県内にある「城郭」をテーマとした、3つの博物館が連携し、滋賀を代表する歴史文化資源である城郭をより多面的・重層的に紹介することを目的に、城郭博物館連携講座「信長の城・秀吉の城・徳川筆頭家臣井伊の城」を開催します。このような連携は、県内では初めての取り組みで、全国的にも珍しいのではないでしょうか。
   その第1回「文献からみた近江の城-長浜城・彦根城・安土城」が、1月14日(土)13時から、長浜市勤労福祉会館・臨湖行われますが、講師の一人として、当館の高木学芸員が「安土城~安土城天主が建たないワケ~」をテーマに講演します。このテーマは、多くの人びとが疑問に思っていることだと思いますので、是非、聴きに来てください。
  
   第1回のその他の講演テーマおよび講師は、次のとおりです。
○「長浜城~元和に破壊された幻の縄張~」     太田浩司(長浜城歴史博物館)  
「彦根城~徳川の威信をかけた天下普請の城~」 渡辺恒一(彦根城博物館)

大河ドラマへの期待

   本日の新聞各紙に、大河ドラマ「平清盛」の第1回放送に対する兵庫県知事の感想が伝えられています。既にご存じの方も多いとは思いますが、要は、「画面が汚い(暗い)」というような趣旨の発言をされたようですね。私も第1回の放送を拝見しましたが、特にそのような感想は持ちませんでした。
   視聴率の低さについての記者の質問に対する知事発言であったようで、観光振興への期待が大きいことの裏返しとして、少し苛立ちもあっての発言だったのではないかと推察しています。
   大河ドラマの視聴率の過去の推移を見ますと、初回は低調であったのが、回を重ねる毎にだんだん高率になっていくものもたくさんあります。今後の、展開に期待したいと思います。
   当館の大河ドラマ関連企画「清盛の時代と近江」&連続講座も始まっていますので、是非、ご来館(聴講)ください。

琵琶湖博物館 出張します。

   これは、本日の京都新聞一面に掲載された記事のタイトルです。滋賀県立琵琶湖博物館が、移動型の展示物による「参加型移動博物館」事業を開始したことを伝えています。
   展示物は、「大昔の巨大ゾウの謎」「豊かな琵琶湖の恵みと景色」「湖は命のゆりかご」「地域へ、博物館」という4つのテーマに分かれています。要望に応じて、催しやショッピングセンターなどに運び、博物館学芸員が解説するとのことです。
   安土城考古博物館でも、当館の所蔵品をショッピングセンターなどに持ち込み、学芸員が解説するなどの取り組みは単発では行っていますが、体制面の制約等もあって、要望に応じて随時行うことはできていません。
   琵琶湖博物館の先進的な取り組みを高く評価するとともに、当館での実施の可能性を探ってみたいとも考えています。

2012年1月8日日曜日

新企画「清盛の時代と近江」の展示風景!

   現在開催しています新企画「清盛の時代と近江」には、3つのコーナーがあります。
   【第1コーナー】が「都を支えた近江の物流」、 【第2コーナー】が「姿を見せた神の庭」、そして、【第3コーナー】が「『もののふ』活躍の時代~平氏・源氏・藤原氏~」です。
   それぞれの展示風景の写真は、下のとおりです。



ギャラリートーク

   特別陳列「昇る!昇れ!!昇るとき」のギャラリートークが本日行われています。右の写真は、十数名の参加者に対して、当館の大槻学芸員が解説している場面です。まだ慣れないせいか、少し緊張しているように見えます。
   ギャラリートークでは、解説者(学芸員)の個性がはっきり出ますね。また、そこが興味深いところでもあります。
   本当は、毎日でも、ご希望があれば解説する機会を設けることができればいいのですが、今後の課題の一つです。

無料ゾーン!

   博物館によっては、入り口で「入館料」をいただくところがありますが、安土城考古博物館は、展示室の前(チケット売り場)で入館料をいただいており、入り口から展示室までのスペースは「無料ゾーン」となっています。 この無料ゾーンにも、たくさんのお楽しみ設備(仕掛け)があるのをご存じでしょうか?  


   まず、玄関ロビーに入ると、「顔出し看板(長政&お市 ほか)」が来館者の皆さんを迎えてくれます。親子連れを中心に、多くの方が記念撮影されています。





   喫茶・レストラン「ムエール」では、「近江牛の肉うどん」「信長抹茶セット」などの名物を提供しています。







   チケット売り場前は、「ショップコーナー」になっており、当館オリジナルグッズや図録などをお買い求めいただけます。



  



    2階にも無料ゾーンがあります。ビデオコーナー(日本の歴史をテーマにしたビデオ鑑賞ブース)、図書室、展示スペース、セミナールームです。セミナールームでは、土日・祝日に織田信長の生涯を描いたアニメ(30分)を上映しています。とても面白いアニメですので、一度、是非ご鑑賞ください。



学芸員の得意分野!

   安土城考古博物館には、6人の学芸員がおり、一人ひとりが得意分野をもっています。その能力は、「展示」のほか、調査研究や講座・現地探訪、体験学習支援などを通じて発揮されています。それだけに、常に知識・能力を深め、磨いていくとともに、経験を積み重ねていくことが求められています。
   当館のホームページのトップページに「学芸員講座」があり、その中では、学芸員が得意とする「講座リスト」をお示ししています。幅広いご要望にお応えできる内容を準備していますので、一定規模の団体を対象とした講座をご計画の際には、是非、ご相談ください。

「清盛」関連講座に多くの参加者が!

   昨日の博物館講座「佐々木一族の躍進と源平合戦」には、予想を大きく上回る134人もの参加者がありました。今年度2番目に多い参加者です。
   やはり、大河ドラマの波及効果でしょうか、それとも、この時期、博物館や美術館から発信する情報が比較的少ない中で、安土城考古博物館の活動に興味・関心を持っていただいている方々が少しずつ増えていることの反映でしょうか?
   「清盛の時代と近江」の連続講座は、これからも毎週土曜日の13時30分から5週連続で開催します。当館学芸員がいろいろ工夫して話題提供していきますので、多数の皆さんのご参加をお待ちしています。

2012年1月5日木曜日

清盛の時代と近江

   大河ドラマ「平清盛」に関連した連続博物館講座がいよいよ始まります。源氏・平氏が活躍した時代の近江を当館学芸員が多面的に紹介します。
   第1回目は、1月7日(土)13:30からの「佐々木一族の躍進と源平合戦」(講師:髙木叙子(当館学芸員))です。近江源氏・佐々木氏が、源平合戦を経てどのように勢力を広げていったのかを紹介します。
   全部で6回の連続講座で、定員は各回140人(当日先着順)、1回あたり300円の資料代が必要です。  
  

昨年の主な考古学ニュース

   産経新聞が昨年の主な考古学ニュースを特集していました。「考古学この一年」「文化財も震災被害大」とのタイトルになっています。
   記事の中に「人々の心と古里を結ぶかけがえのない歴史遺産ー。その価値が改めて認識された一年でもあった。」という記述が特に印象的でした。
   このニュースの「7月」の欄に、「最古級の木製つぼ鐙」(滋賀・蛭子田遺跡)があげられています。滋賀県文化財保護協会による発掘調査の結果、発見されたものですが、それほどインパクトのある成果であったのでしょうね。

ワックワク!ドッキドキ! 安土城考古博物館

   これは、1月1日付け滋賀報知新聞「八幡特報」の記事のタイトルです。安土城考古博物館の今年度の取り組み等について、二面を使って大きく大きく記事にしていただきました。感謝!感謝です!
   多面的な角度からのご質問に私が答える形となっています。私自身にとっても、9か月を振り返るとともに今後を展望するうえで良い機会になりました。
   本日から開館していますが、あいにく雪が降っており、やや出鼻をくじかれた感じです。今年は、9日まで学校は冬休みとなっていますので、「太陽」と「龍」の元気をもらいに、是非ご来館ください!

明けましておめでとうございます!

   初春を迎え、今年こそ「希望」に満ちた1年にしたいと願っています。
   年越しを区切りに、新しい一歩を踏み出したいと思いますが、どの方向に向かうかが、今、日本人全体に問われています。博物館としては、展示や講座等を通じて、人々の生き方や社会のあり様についての提案を行っていくことが使命の一つだと考えています。
   現在開催しています特別陳列「昇る!昇れ!!昇るとき」では、私たちの「希望」と「元気」を託した「太陽」と「龍」をモチーフにした実物資料をたくさん展示しています。
   「辰年」を迎えた今年最初の展覧会に是非お越しください!