涼しい風の中に、深まる秋への行進の足音が聞こえてきそうな安土の朝です。
さて、いよいよ近づいてきた秋季特別展「倭五王 海を渡る」(10月17日(土)~11月29日(日))のサワリをご紹介しましょう。
<「倭(の)五王」って誰?>
日本史の授業で習ったのを覚えていますか?中国南朝の諸王朝に朝貢し、中国の歴史書に名を残した「讃、珍、済、興、武」の5人の王ですね。それぞれヤマトの大王(天皇)に当たると考えられていますが、誰がどの大王(天皇)なのかについては未だ定説がないようです。倭五王が朝貢したのは、5世紀前半から6世紀初頭にかけての約1世紀の間で、日本が「謎の4世紀」を経て東アジアの政治外交のプレーヤーとして本格的に登場した時代です。
<古墳が語る、新しい文化>
倭五王の時代に築かれた古墳は、仁徳陵や応神陵など巨大なものがありますが、古墳の位置や築造目的などにも5世紀における倭国の朝鮮半島や中国との交流や軍事・外交活動が影響していると考えられるそうです。これらの古墳の副葬品を見ると、倭国が海外交流を通じて手に入れた鉄を使った鉄製品が多く出土し、また、乗馬や須恵器など新しい文化の広がりを示す品も多く、東アジアとの交流の中で日本が新しい文化を獲得していった様が見て取れる展示となります。
秋季特別展の期間中、10月25日(日)には、大阪府立近つ飛鳥博物館館長の白石太一郎先生の「東アジアの中の古市・百舌鳥古墳群(仮題)」のご講演や、国立歴史民俗博物館名誉教授の広瀬和雄先生がコーディネイトいただく連続講座「淀川水系の中期古墳」など、興味深い催しが目白押しです。是非、ご観覧・ご聴講ください。
入館料:大人890円(常設展示含む。)。開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)。休館日は月曜日、ただし11月2日(月)は開館し、11月4日(水)休館。
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