2016年10月30日日曜日

記念講演会 盛況でした!

 10月30日(日)、秋季特別展の記念講演会「天智天皇と近江遷都−中大兄皇子の実像に迫る−」を開催しましたところ、150名を超える方々がご参加いただき、大変盛り上がりました。
 講師を務めていただいた大橋信弥氏は、当館の学芸課長・副館長として長く在勤されたベテラン研究者で、近江の古代史に特に造詣の深い方ですので、近江・大津に都が遷された背景などについての深い学識と分かりやすい語り口で参加者を魅了しておられました。
 聴講された皆さんは、ほぼ毎回ご参加いただいている常連の方からテーマに興味を持って初めて参加された方まで、県内外から幅広く来館いただきました。

 さて、今後も当博物館では、盛り沢山に催しを用意して皆様をお待ちしています。
 11月3日(木・祝)には午前10時から「お市茶会」と題して、遠州流のお点前を楽しんでいただく催しを開きます。静かな館内で文化財に親しみながら、抹茶とお茶菓子を味わっていただけます。(予約不要、当日先着100名様。参加費は300円)
 また、11月5日(土)には、秋季特別展関連講座「飛鳥と近江−天智朝前後の飛鳥−」を開催します。近江への遷都以前に王宮が営まれていた飛鳥の状況について、「飛鳥」の真っ只中の明日香村教育委員会で発掘・調査を手掛けておられる相原嘉之氏から最新の調査研究成果を紹介していただきます。(13:30~15:00.予約不要、先着140名様。参加費は200円)

 奮ってご参加ください!

2016年10月29日土曜日

当館では初公開

開催中の秋季特別展では、雪野寺跡から出土した塑像や瓦を多数展示しています。
雪野寺は、雪野山古墳が出た雪野山の麓に7世紀後半の白鳳時代に建立された古代寺院で、現在では塔の基壇や建物跡のみが残されていますが、ここから出た塑像(土の像)や軒丸瓦など多数の遺物が、京大総合博物館や奈良国立博物館に収められています。
したがって、地元ではなかなか見られないのですが、特に今回、奈良国立博物館からお借りして展示している白鳳期の塑像は当館では初めて展示する貴重なものです。

この雪野寺や雪野山古墳がある雪野山周辺を治めた地方勢力は、非常に力があったと思われますが、なぜ強い勢力を持てたのか。あなたも、近江の古代史の謎に思いを巡らせてみてはいかがですか?

2016年10月28日金曜日

多彩な展示が満載です!

 秋季特別展「飛鳥から近江へ−天智天皇の意図を探る−」を好評開催中の当博物館では、このほかにも、魅力的な展示をご用意しています。
 まずは、あす10月29日(土)から始まる特別陳列「お市と浅井長政」です。
 戦国随一の美人と言われるお市の方と最初の夫・浅井長政との物語を、館蔵資料を中心とする展示資料からご紹介します。中でも注目は、お市の肖像画(当館蔵)です。匂い立つような絵姿は、当館の収蔵資料の中でも高い人気を誇っています。そのほか、貴重な古文書などを展示して、お市と長政の出会いと結末をご紹介します。

 また、同じくあす10月29日(土)から、修復により美しく蘇った文化財を特別公開します。地元・安土の浄厳院(安土問答の舞台として有名)から当館に寄託いただいている「六角高頼書状」と「大智度論巻第三十四−中尊寺経−」の2点が、専門家の手で修復され、往時の美しい姿に戻りました。
 特に、「中尊寺経」は奥州藤原氏初代の清衡が発願した一切経から散逸した一巻で、一切経は国宝に指定されているので、「国宝級」の逸品と言っても過言ではないと思います。
 紺紙に金と銀で交互に経文が書かれた、とても美しいお経で、一見の価値があります。

 両方の展示とも、第2常設展示室の一角で行い、「お市と浅井長政」は11月27日(日)まで、修復文化財の特別公開は12月27日(火)まで行います。
 秋季特別展と合わせて、是非ご覧ください。(観覧料金は、特別展の料金に含まれています。)

 

2016年10月27日木曜日

お市茶会

 昼前から晴れ上がって、抜けるような青空に恵まれた安土です。
 
 当館恒例の秋のお茶会を11月3日(木・祝)に開催します。
 安土茶道クラブ遠州流の皆さんのご協力を得て、お茶のお点前を楽しんでいただく催しです。ことしは、同時開催中の「お市と浅井長政」展にちなんで、「お市茶会」と名付けて開催します。
 当館エントランスホールにて、10:00から15:00まで開きます。事前予約は不要で、当日先着100名様に提供します。
 参加費は300円です(お茶菓子付き)。

 なお、特別陳列「お市と浅井長政」は、お客様から人気の高いお市の肖像画(当館藏)をはじめ、お市の方と長政に関する文書、画像を第2常設展示室の一角にまとめて紹介するもので、10月29日(土)~11月27日(日)の間、展示します。
 秋季特別展「飛鳥から近江へ」とともに、是非ご覧ください。

2016年10月25日火曜日

中大兄皇子の実像に迫る

好評開催中の秋季特別展「飛鳥から近江へ−天智天皇の意図を探る−」の記念講演会として、来る10月30日(日)に「天智天皇と近江遷都−中大兄皇子の実像に迫る−」を開催します。
講師は、元の当館学芸課長の大橋信弥氏で、13:30開会、参加費は500円です。事前予約は不要ですが、定員は先着140名様となります。

大橋氏は、古代近江に勢力を誇った息長氏や渡来人研究の権威で、県内から出土した木簡の研究をはじめ、近江を中心とした政治史の解明などで知られる有名な研究者です。
 天智天皇(中大兄皇子)が当時の政治状況の中で、近江に都を遷すことで何を狙ったのか? じっくりと解き明かしていただきます。
 秋季特別展の観覧と併せて、記念講演会もお楽しみください。
 

2016年10月23日日曜日

近江遷都の謎に迫る!

 昨日から始まった秋季特別展「飛鳥から近江へ−天智天皇の意図を探る−」は、早速好評で、数多くの方にご覧いただいていますが、その見所の一端をご紹介しましょう。

 まずは、「なぜ近江・大津に都が営まれたのか?」という古代史の謎に迫る展覧会です。白村江の敗戦によって惹き起こされた国際情勢の緊迫(唐・新羅が日本に攻め込んでくるかもしれない!)が背景にあると言われますが、「なぜ近江だったのか?」。その謎に、近江遷都前後の時期の近江とその周辺地域の特質を示す遺物や考古資料を豊富に展示しながら迫っていきます。
 展示を観ていくと、近江の国は、古代から都が営まれるほど豊かで、かつ重要な地域だったことをガッテンしていただけると思います。
 また、重要文化財を含む大変多くの遺物・考古資料を展示している点もお見逃しなく。特に、展示室の中央にドカン!と鎮座している飛鳥の石人像や、興福寺旧東金堂本尊仏頭はいずれも複製品ではありますが、石人像の異国情緒、仏頭のデカイ頭が歴史のロマンを感じさせてくれます。

秋の愉しみ

 芸術の秋、読書の秋、食欲の秋など、秋の愉しみは数あれど、文化財に親しむ季節としても最適ですね。
 夏のように心乱されることもなく、冬のように心塞ぐこともない秋は、静かに歴史のロマンや造形の美に向き合うのに適した季節なのでしょう。
 そこで、昨日は、長命寺の本堂内陣特別拝観に行ってきました。
 今年が西国三十三所草創千三百年とのことで、各札所で記念行事が行われていますが、西国第三十一番札所の長命寺では本堂内陣の特別拝観が10月末まで行われています。
 ご本尊を間近かで拝んだり、長命寺参詣曼荼羅(右の写真は、その絵ハガキを写しました。)をとくと眺めたり、秋の日の午後をゆったりと過ごしました。

 さて、当館では、きのうから秋季特別展「飛鳥から近江へ−天智天皇の意図を探る−」を開催しています。
 昨日は、博物館講座も行い、早速たくさんの方にご観覧いただきました。
 7世紀後半の近江とその周辺地域の社会の在り様を、数多くの遺物・考古資料を駆使して、当時の国際情勢も絡ませながら解説しています。
 
 12月4日(日)までの会期中には、記念講演会や関連講座のほか、「お市茶会」(11/3)などのサイドイベントも多数ご用意していますので、是非一度、当館にお立ち寄りください。